キテハ食堂ができるまで~誕生秘話~②

キテハ食堂ができるまで~誕生秘話~①

キテハの特徴の一つ土壁。
竹を編み、田んぼの土を利用した土壁を塗ることによって、断熱効果があると考えます。
これがまぁ重労働!!笑
職人さんはサラサラ〜と進めて行きますが、持ってるだけで腕プルプルします。
厚みを均等にしないといけなかったり職人技が光る仕事ですね。

もう一つの特徴は室内にある温熱パネルです。
倉庫に入れた小型チップボイラーが熱源になっています。
森林で伐採される木が製材所の激減で、 チップとして加工されてなお行き場をなくしているのが現実です。
このチップを利用してエネルギーとします。

タンクの中の水を熱交換し、温水パネルに送り込まれ冷めたら戻りまた温めるという循環を繰り返します。
石油などの限りある地下資源から循環可能な地上資源にシフトしようという試みです。
海外ではポピュラーなチップボイラーですが、日本ではまだまだ知名度も使用例も少なく、キテハが発信源になり、地球環境問題、エネルギー問題に取り組んでいけたらと考えています。

まだまだトラブルも続きます。
せっかく植えた芝生も管理不足で枯れるし、農薬をやらない野菜には虫さん達が集まります。
せっかく実った野菜は猿に食べられるし、自然と共存していることを実感しますが、心が折れます・・・(笑)

小さい子供たちも「キテハで野菜植える〜」「僕が芝生に水やる〜」と力強い一員!
この子達の記憶にキテハがどう残るのか楽しみです。

いよいよ窓をはめて行きます。
エネルギー改修に必須なのが、木製サッシです。
通常のサッシと違い木を使うことによって、何十年先解体してもゴミにならず土に還るのです。
使い捨ての時代だからこそ考えなくてはならないことがここにもありました。
ガラスはペアガラスを使用し、遮熱、断熱効果があります。

厨房が完成して来ました。
ここにも職人技が光ります。
見よう見まねでやりますがうまくなった頃に終わりました笑 
大型の冷蔵庫は天井がギリギリ。どう入れようかとみんなの知恵を絞ります。

キテハで提供している器は信楽焼です。
調味料は昔ながらの手法で作られた醤油、精製されていない塩、砂糖。
自家製の味噌や梅干し。
野菜は農薬や化学肥料を使わず育てています。
大量生産、利益重視で作られている物ではなく、本物にしかない味わいがあると思います。
その分手間がかかったり、同じように均一には出来なかったり。
当たり前ですが、今では均一が当たり前。
その為には犠牲になっている食べ物や物がある現実。
キュウリは曲がってもキュウリですから嫌わないであげてください笑

内装がほぼ出来ました。
椅子や机を組み立てるのは子供達の仕事です。
夏休みだった事もあり、子供達のお友達もみんな手伝ってくれて頼もしい限りです。
将来大工さんになりたい〜とか言ってくれないかぁと母はニヤニヤしておりました笑

畑も少しずつうまくなって来ました。
まだまだ半人前ですが、近所のおばちゃんやおじさん達に知恵をいただいたり、日々勉強です。
と思ったら、マクワを綺麗に猿にやられましたが。。。笑

約4年の歳月を得て、ここは生まれ変わりました。
最初に見たときにこうなることを想像できたでしょうか。
イメージし実行し、いろんな人の知恵や技術。
古いもの汚いものだから蓋をするので無く、古き良きものを大切にしていけるからこそ伝承していける物があるのではないかと、キテハは考えます。

allmende 木手刃 ドイツ語で 共有地を示します。

木・・・材料 もっと言えば資源
手・・・技術
刃・・・道具

これらのものを共有し、未来に残して行くべき技術、資源、道具循環可能な社会にするために伝承すべきことを伝える場所でありたいと考えます。
まだまだチャレンジが始まったばかり。
これからも木手刃・キテハ食堂をよろしくお願いします。

キテハ食堂オーナー:清水ひかる

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