林業普及のための道筋

林業のみならず、あらゆる仕事が分業化されてきたここ数十年の価値基準は、常に儲けるという経済価値にあった。
今後もそのバックグラウンドが続いてゆくのか否か、そのあたりの認識の違いによってこれからの進むべき道が違ってくる。

今「山業」が抱えている問題は、仕事として成り立ちにくい経済的な面と、それに伴う担い手不足ではないだろうか。
山を維持するというのは、経済的基盤のみではないにしても、担い手不足では生業を続けるわけにはいかない。
何を軸にするのかをある程度決めて、その具体的な方向に進まねば、「何かをしたら儲かるかもしれない」というだけの方向に行き詰まる。

しかし、実務にあたる人間が決めるべき道筋があるはずだが、実務者は目の前の作業に終始しているし、コーディネーターは実際の仕事の大変さを理解していない。

ところで、設計をする人と家を建てる人が別々であることにほとんどの人は違和感を持っていない。
林業に携わる人は製材について実務的知識がないことも多い。製材をする人は大工さんではないし、今の時代の「大工さん」と呼ばれる人も山の知識が十分ではない。

消費者VS生産者という二極ではなく、あらゆることがそれぞれの関係性の中で動いていることを承知すれば、できること、やるべきことがありすぎるくらいあるということが理解できる。

一般的な林業の流れは下記の通りだ。

山 → 伐採
     ↓
    搬出
     ↓
    市場
     ↓
    製材 → 商社 ↴
     ↓      ↓
    建築・家具 ↓ ↓
     ↓   現場 材木商 ⇒ 一般ユーザー
    現場

◎今までの木材の流れの中には → の流通コストにかなり無駄な経費を生んでいた

★個人的にトライしたい分野は以下の通りだ。
    エネルギー、製材(伐採、搬出)
        ※主軸となる「建築」にどんなタイヤを装着するか
 教育プログラム  木製サッシ(その他の木製品) エンジン

「最終的にどこへ向かうのか」
どんな未来なのか 【・エネルギー自給 ・食料自給 ・人口減の社会(2100年には4~5千万人と予測)】
 ↓
どんなインフラ整備をするのか
・組織的な枠組みの中で可能なことが果たして正解なのか?
・個人的なトライという、かなり小回りのきく事業形態をどうつないでゆくのか
・自立型の仕事の整備が不可欠に入ってきている

複数の仕事をこなしながら軸を一本に絞るという考え方がいわゆるコーディネーターの人たちが発する方法論であるが、コーディネイトが軸になること自体に社会的問題がある。
例えば、ラグビー日本代表が日本全国を感動させたが、そこで感じたのは「ワンチーム」という見せ方だった。
  ↓
建築がワンチームであった時代から、分業やトップダウン式に変わっていったことをどうとらえるのか。
個人的プレーヤーが組むことのできる相手を探すことそれには、大きな目標の設定が必要である。
誰もが持っているお金、立場的な優位を売りにしている人がワンチームには入れない。
時代的変化の軸になるのがエネルギーではないかという仮説を立ててからもう30年近くが経過している。
大して何もできてはいないが、進むべき方向性が間違っていないという安心感は常にある。

◎木造建築の未来的可能性

数々の建築現場での経験から、セルフビルド・木製サッシ・建築を通しての教育的要素など、さまざまな可能性を感じている。

・・・・・・・

以上、総合して言えることは、山の可能性は木そのものとエネルギーによるものの総合的なもの、そしてそれらを教育要素として別次元にもってゆくことが、未来の安心材料になるのではないかということだ。
まだまだ主流ではない方法論も、その時代が来た時一瞬にして転換するかもしれない。
今はその為の移行期にあたり、ほとんどの人は今までのやり方を信じているものの「気配」くらいは感じている人もいるだろう。
その気配を「プロト」にする必要があると信じる。

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